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177 賃貸用不動産の税務

相続税法改正に伴い、不動産賃貸業を検討するケースが増えています。改めて整理してみました。

1. 賃貸用不動産取得時の税務

不動産を売買する場合には、不動産の売買代金以外に一般的に次のような諸費用が発生します。取得価額をまとめると次のようになります。

区分 個人の場合 法人の場合
(1)
登録免許税・不動産取得税
必要経費に算入
(取得価額に算入することも可)
損金算入と取得価額算入の選択
(2)
司法書士報酬
必要経費に算入
(取得価額に算入することも可)
損金算入と取得価額算入の選択
(3)
印紙税
必要経費に算入 損金算入
(4)
仲介手数料
「購入手数料」として取得価額に含める 「購入手数料」として取得価額に含める
(5)
立退き料
「その他購入のために要した費用」として取得価額に含める 「その他購入のために要した費用」として取得価額に含める
(6)
固定資産税・都市計画税の精算
取得価額に算入 取得価額に算入
(7)
土地等とともに取得した建物土地の取得価額に算入の取壌し費用
土地の取得価額に算入 土地の取得価額に算入

2. 収益・費用計上時の税務

収入となるもの 家賃、地代、権利金、更新料、礼金、共益費
敷金・保証金のうち返還を要しないもの(返還する部分は預り金)
※経過した期間に対応する金額を「収益」として役務提供の完了した日に計上しなければなりません。
費用となるもの 土地・建物に係る固定資産税・都市計画税、事業税、共用部分の水道光熱費
借入金利子(事業開始後に支払った部分)、修繕費(資本的支出に該当するものを除く)損害保険料(掛け捨てのもので、その年分のみ)等

フリーレントの会計処理は次の二つが考えられます。
(1)フリーレント期間について収益を認識しない方法
(2)フリーレント期間について収益を認識する方法

3.賃貸用不動産の相続税評価額

貸家建付地の価額 :
自用地とした場合の価額一自用地とした揚合の価額×借地権割合x借家権割合×賃貸割合
貸家の価額 :
建物の固定資産税評価額一建物の固定資産税評価額x借家権割合×賃貸割合
※小規模宅地の評価減の要件を満たした場合、不動産貸付等の土地は200m2まで50%減額されます。

4.法人を活用した不動産賃貸業

不動産管理を行う同族会社を活用した方法として次の3種類が考えられます。

(1)管理委託方式 :

不動産オーナーが所有する不動産の管理を自分や親族の法人が行う方法。
(2)サブリース方式 : 不動産オーナーが賃貸物件を一括して法人に賃貸し、その物件を法人がさらに借家人へ転貸する方法。
(3)不動産所有方式 : 法人が賃貸物件の所有者となり、自ら賃貸を行う方法。