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113 既存住宅に係る特定の改修をした場合の税額控除制度の創設

平成21年度の税制改正により、既存の住宅に一定の改修工事を行った場合には、所得税額から一定額を控除する特別控除制度が設けられました。この制度は平成21年度の税制改正で控除額等が拡充された住宅ローン減税とは異なり、借入を行わず自己資金で行った場合でも適用があるのが大きな特徴です。

1.省エネ改修促進税制

その年分の合計所得金額が3,000万円以下の居住者が、自己の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を行った場合には、その工事費用の額とその工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(上限:200万円(併せて太陽光発電装置を設置する場合は300万円))の10%をその年分の所得税額から控除する制度が創設されました。

2.バリアフリー改修促進税制

その年分の合計所得金額が3,000万円以下の一定の居住者が、自己の居住の用に供する家屋について一定のバリアフリー改修工事を行った場合には、その工事費用の額とその工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(上限:200万円)の10%をその年分の所得税額から控除する制度が創設されました。

3.耐震改修促進税制の適用期限の延長

住宅に係る耐震改修促進税制(税額控除対象上限金額(上限:200万円)の10%をその年分の所得税額から控除する制度)について、以下の措置を講じた上で摘用期限を5年間延長することとされました。

(1) 制度の適用対象区域について、地方公共団体が耐震改修計画に基づき耐震改修工事を補助している地域に加え、地方公共団体が耐震診断のみを補助している地域を新たに含めるほか、補助金額の下限要件を撤廃することにより、要件を緩和することとされました。
(2) 税額控除の対象となる金額について、改修に要した費用の額と、改修に係る標準的な工事費用相当額とのいずれか少ない金額とする。

なお、上記の取扱いは平成21年1月1日以後に行う耐震工事について適用されます。