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121 納期限までに納付できない場合の延滞税

資金繰りが厳しく納期限までに法人税や所得税が納付できなかった場合や、修正申告等によって追加で税金を納付すべきこととなった場合には、それらの納付を行いしばらくたった後に延滞税の通知が届きます。今回はその延滞税がどのように計算されるか確認していきましょう。

1.延滞税が課される場合
延滞税は次のような場合に納付しなければなりません。

(1) 期限内申告書を提出した場合において、その申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき
(2) 期限後申告書若しくは修正申告書を提出した場合、又は更正若しくは決定を受けた場合において納付すべき国税があるとき
(3) 納税の告知を受けた場合で、その告知により納付すべき国税をその法定納期限後に納付するとき
(4) 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき
(5) 源泉徴収による国税をその法定納期限までに完納しないとき

2.延滞税の割合

(1) 延滞税は原則として法定納期限の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納税額に年14.6%の割合で計算されます。
(2) ただし納期限の翌日から2ヵ月を経過する日までの期間については、その未納税額に年7.3%の割合で計算します。さらに平成12年1月1日以後については、年7.3%と各年の前年の11月30日を経過するときにおける日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合のいずれか低い方(特例割合)で計算します。平成22年の特例割合は4.3%となり、最近の具体的な割合は次のとおりです。

期 間 割合
平成22年1月1日〜12月31日 4.3%
平成21年1月1日〜12月31日 4.5%
平成20年1月1日〜12月31日 4.7%
平成19年1月1日〜12月31日 4.4%
平成18年1月1日〜12月31日 4.1%
平成17年1月1日〜12月31日 4.1%

3.延滞税の計算方法

(1) 延滞税は下記計算方法にて計算します。

納付すべき本税の額 × 延滞税の割合 × 法定納税期限の翌日から
完納の日までの日数
   

延滞税の額
365    

納期限の翌日から2ヵ月を経過する日までの期間は特例割合で計算するため、納期の翌日から完納の日までの日数が2ヵ月を超える場合には、特例割合と14.6%にて別々に計算した金額の合計額が延滞税の額となります。

(2) 日数計算における納期限の考え方は、期限内申告の場合は法定納期限、期限後申告又は修正申告の場合は申告書を提出した日、更正・決定の場合は更正通知書が発せられた日の翌日から1ヵ月後の日となります。
(3) 延滞税計算における端数計算は次のようになります。
(1) 本来納付すべき本税の額に10,000円未満の端数がある場合…10,000円未満は切り捨てて計算
(2) 本来納付すべき本税の額が10,000円未満の場合…10,000円未満は切り捨てて計算するため結果として、延滞税は課されない
(3) 算出された延滞税の額に100円未満の端数がある場合…100円未満端数切り捨て
(4) 算出された延滞税の額が1,000円未満の場合…全額が切り捨てとなり延滞税は課されない