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55 e−Taxの活用

平成16年6月1日より、いよいよ電子申告、電子納税(総称して「e-Tax」と呼んでいます。)の運用が全国的に開始されました。全国運用に先駆けて、平成16年2月2日から名古屋国税局管内では段階的に運用が開始されており、実際の適用にあたってのさまざまな感想、問題点、課題等、生の声が届いています。ここでは、名古屋発の生の声を基に、「e-Tax の活用メリット」「運用上の留意点」「今後の課題」等について検証していきます。

1.e-Tax の活用メリット

電子申告については、「添付書類は別送する」、「利用可能時間が制限されている(月曜日から金曜日までの午前9時から午後6時まで)」、「電子申告による税制面での特典がない」等の点が指摘されています。今後、利用時間の拡大等の改革が期待されます。
一方、電子納税では、インターネットバンキング等を利用することにより“会社に”、“自宅に”居ながら納税手続きがとれるため、利便性があります。毎月納付が必要な源泉税や、消費税の予定納税においては銀行窓口の混雑にかかわりなく納付手続きがとれることから、活用に当たっての検討の価値はあるのではないでしょうか。

2.運用上の留意点

適用に当たっては、事前に開始届出書の提出、電子証明書の取得等準備が必要です。「開始届出書を提出したから電子申告をしなければならない」、「確定申告書を電子申告しているので修正申告書も電子申告書でなければならない」等の制約は一切ありません。電子申告は、申告書の提出方法の選択肢が1つ増えたにすぎず、その都度、書面で申告するか、電子申告するかの選択が可能です。電子納税についても同様で、引き続き納付書により銀行窓口で納付手続きをとることも可能です。

3.今後の課題等

名古屋税理士会が実施したアンケートによると「利便性が見出せない・制度に検討の余地がある等のため現状では利用を考えていないが、将来、制度等が改善されれば利用したい」との意見が多かったようです。e-Tax 利用上の利便性が明確に打ち出されない以上、積極的な利用の検討は困難との考えかたもあります。
しかし、e-Tax は電子政府の実現に向けた施策の1つであり、急速にインターネットに代表される情報化社会へと進んでいる現状を勘案すれば、必ずや近い将来、e-Tax の利用の検討の時期は訪れるものと考えます。当社(私)にとって、「e-Tax はどのような利便性があるか」等を今から認識し、来る将来に向けて準備をすることも必要なのではないでしょうか?