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01 申告内容の誤りや無申告等の場合に課されるペナルティー

4つの"加算税"
法人税、所得税、相続税などは、それぞれの納税者が自ら税額を計算して所定の期限内に申告・納付を行うこととされていますが、その申告内容に計算誤り等があったり、納付すべき税額があるにも関わらずそもそも申告が行われていないケースなどでは、一種のペナルティーとして本来の納付税額に以下の「加算税」が割増されます。

4つの加算税イラスト



過少申告加算税

期限内に提出された申告書記載の税額が調査等により"過少"とされた場合、納付すべき本税額に対し原則10%が賦課されます。



無申告加算税

申告期限までに申告書が提出されておらず、調査等により納付すべき税額が「決定」等された場合、本税額に対し15%が賦課されます。



不納不可算税

従業員の給与等に係る源泉所得税を期限内に徴収・納付せず、調査等により「納税告知」等された場合、本税額に対し10%が賦課されます。



重加算税

上記に該当するケースで、その過少申告・無申告・不納付が「隠ぺい・仮装行為」に基づくものとされた場合、の各加算税に代えて35%(過少申告及び不納付)又は40%(無申告)が賦課されます。


※通常の期限後納付については一定の延滞利子が課されますが、上記の該当ケースでそれぞれに定める加算税を含めて期限後に納付が行われる場合、加算税部分にはこの延滞利子は課されません。

過少申告等につき「正当な理由」が認められる場合
ただし、上記の
過少申告、無申告、不納付につき「正当な理由」が認められる場合は、これらの各加算税は課されません。

ここでいう「正当な理由」とは、納税者の責めに帰さないやむを得ない事情に起因するもので、例えば税法の不知・誤解や、取引等の事実の誤認は含まれません。

具体的には、申告書提出時までに法令解釈が明確化されておらず、その時点で妥当と思われる解釈を納税者が選択した場合において、両者が結果的に異なることにより納税額が「過少」となってしまった場合や、災害等により期限内申告書が提出されていないケースなどがこれに当たります。

また、相続税では、相続財産が災害や盗難にあったため、申告から除外していたこところ、その後予期しないところで賠償金の支払いや返還を受けたケースなども、過少申告における「正当な理由」とされます。

また、調査等が行われる前に誤りなどに気づき、自ら修正申告を行った場合も、過少申告加算税は課されません(は5%)。