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48 配偶者にプレゼントを(贈与税の配偶者控除)

配偶者の老後の生活保障や同一世代間の贈与であるという観点から、婚姻期間が 20 年以上である配偶者間において、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与をした場合には、贈与税の課税価格から 2,000 万円を配偶者控除額として控除することができます。また、贈与税の基礎控除額 110 万円も差し引くことができますので、合計で 2,110 万円まで無税での贈与をすることが可能となります。なお、この制度は同一の配偶者から一生に一度しか認められていませんので、実際の適用にあたっては慎重な判断が必要です。

ここ数年不動産価額の下落が続いていましたが、そろそろ底値ではとの意見も聞かれます。都心ではバブル期にこの制度を利用しても猫の額ほどしか移転ができない場合もありましたが、地価の下がった現在ではそれなりの持分あるいは面積の贈与が可能となります。要件をみたしているご夫婦で、まだこの制度の適用を受けていない方々については検討をしてみてはいかがでしょうか。この制度の活用により夫婦間の愛情がより深まるかもしれません。

また、この制度は居住用不動産を取得するための金銭であっても認められます。例えば、現在お住まいのご自宅を売却して、老後に備えてマンション等に買換える場合に、金銭を贈与し、その金銭相当額の持分を配偶者名義で購入することも可能です。

この配偶者の 2,000 万円控除の適用要件をまとめると以下のようになります。
1
入籍した日から贈与した日までの婚姻期間が 20 年以上であること
2
贈与財産が居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭であること
3
贈与された配偶者が贈与の年の翌年 3月15日まで居住のように供していること
4
この特例の適用を受ける旨の贈与税の申告書を税務署に提出すること

なお、この特例は贈与税の申告書の提出をして初めて適用される制度なので、たとえ贈与した価額が 2,110 万円以下で贈与税が発生しない場合でも、必ず申告をしなければなりませんのでご注意下さい。

平成 16 年 4 月 1 日以降に開始する事業年度より、法人事業税の外形標準課税が適用されます。通常の1年決算法人の場合、最初に申告する期間までまだ1年程度の期間があるものの、外形標準課税の対象を確認しておきましょう。